ミティラーアート ~砂塵に映える微笑のアート~
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  ミティラーアートの歴史 

 

 ミティラー地方は北インドのビハール州北部からネパールの一部に広がる土地のことで、ここで描かれる伝統絵画をミティラー画と呼びます。この地方には今から3000年以上前に北西部から侵入してきたアーリア民族が住み着き、独自の文化を育んできました。古代叙事詩の「マハーバータラ」や「ラーマヤナ」もこの土地で生まれました。ミティラーの人々はこの民族的叙事詩を自らのアイデンティティとして今日まで伝えてきています。

 ミティラー画の歴史は、アーリア人が侵入してきた3000年前にまでさかのぼります。この絵はもともと祭礼や結婚の儀式の際に描かれてきた床絵、壁画のことで、描き手は女性に限られます。連綿と続く歴史の中で母から娘へと伝承され、近年になって紙に描かれるようになりました。ミティラーアートの存在が知られるようになったのは、皮肉にも1934年にインド、ビハール州を襲った大地震によってでした。崩落した家々を調査していたイギリスの行政官、W・G・アーチャーが残された家の壁に特異な美しい絵を発見したのです。そして長い年月がすぎた後の1967年、またも不運がビハール州を襲います。この地域はひどい旱魃に見舞われました。当時のインディラ・ガンジー首相は手工芸局長であったププル・ジャカル女史を現地に派遣し、救済手段として壁画を紙に描いて売ることを推奨したのです。ププル・ジャカル女史は紙を配給して、村の女性たちの後押しをし、これらの絵がデリーなどのとしに運ばれて販売されると大きな反響が寄せられました。

 やがてミティラーアートはじわじわと広まり、国の内外から注目を集めるようになりました。芸術賞が創設され、展覧会が催されるようになったのです。トップアーティストと呼ばれる人たちが世界の陽の目を浴び、それに追従するように多くのアーティストが描いています。こうしてもともとの床絵・壁画からは独立し、新たな表現手段としてのミティラーアートが確立されました。

 

 

 

                                             

 

 

 

 

    ミティラーアートの概要について 

 

 ミティラーの女性たちは家の土壁を神々の姿や豊穣のシンボルで飾り、また室内の土間を掃き清めてそこに幾何学風のデザインで絵を描きました。家々の壁は様々な儀礼の際に、神々や吉祥と豊穣のシンボルが壁いっぱいに自由に描き連ねられます。描かれる内容でもっとも多いのはクリシュナ、シータなどが登場するヒンドゥー神話、それからこの地方で「アリパン」と呼ばれるマンダラ風の床絵です。また婚礼の式の際には、新郎新婦がはじめの五日間ほどを過ごすコーワル・ガルという場所に鮮やかに描かれます。日常生活の光景を描いた絵もよく見られます。使われる絵具は様々ですが、白は米をすりつぶしたもの、黒はランプや炭の煤、赤はベール樹の葉、黄はウコンやバニアン樹の葉、オレンジはマリーゴールドの花粉、青はシッカルという植物の花粉、などから採取していたようですが、ホーリーに使う色粉なども使われていたようです。  

 ミティラー絵画においては、描かれた内容はもちろんのこと、実際に描いていく過程もまた儀礼の一環として重要視されました。彼女たちは描くことを神聖な行為ととらえ、儀礼が終われば絵そのものは消えてもよいと考えています。彼女たちは巧い下手の芸術的手腕を競うのではなく、また技術や才能が問われるものでもありませんでした。そのため描かれる絵は稚拙なものにもみえますが、彼女たちにとっては、描く行為そのものが信仰心の表れなのです。彼女たちは富や出産、豊穣、健康など身近で具体的な祈りをこめて、家の土間や土壁に自らの伝統に則った絵を描き連ねてきたのです。

 

 

 

                                           

 

 

 

 

 ミティラー画のデザイン

 ミティラー画は神々や女神の図柄、また吉祥のシンボルや日常の光景など多様なデザインで構成されます。 

 コーワル・ガル(結婚の際、新郎と新婦がはじめの5日間ほどを過ごす場所)の壁に描かれるのは七つの蓮華と中央の蓮を貫く竹の子です。蓮も竹の子も次々と生まれる生命のシンボルであり、また中央の蓮とそれを貫く竹の子のデザインは交配を示します。また新郎新婦や魚、愛の鳥である孔雀などのめでたい図柄でもって、土壁は埋め尽くされていきます。

 さらに、頻繁に描かれるのはヒンドゥー神話です。彼女たちは非常に深い信仰心を持っていて、繁栄と幸運のシンボルとして神々やその乗り物を描きます。シヴァ、ラーマ、クリシュナ、シータ、カーリー、ハヌマーン、ガネーシャ、ヴィシュヌなどです。また神話であるラーマヤナやマハーバーラタ、ギーターなどのエピソードもミティラー画の主題になります。聖なる動物であるヘビや太陽神もよく描かれます。

 また、ディーパーヴァリーやチャートといったおめでたい機会に描かれるのは、繁栄の象徴である象や馬、虎、孔雀などの図です。それから女性の中の純粋さや忠誠心を表すものとしてヒンドゥーと仏教の双方にとって神聖な蓮が描かれます。竹や木々、オウムやカッコウなどもよく見られるデザインです。これらすべてのデザインには繁栄と豊穣の祈りが込められ、神話とともにミティラーの文化につよく根付いているのです。

 

 

                                   

                                                                                                            

                                                

 

 

 

 

  ミティラーアートの種類 

 ミティラーアートにはいくつかのスタイルがあります。ここでそのスタイルについて簡潔に説明してまいります。

 

 線描画

 竹やマッチ棒などの細い木やペンで描かれた線を主体とした絵のことで、ラインペインティングとも呼ばれます。黒い線で描かれるものがほとんどですが、すこし色を使った絵も見られます。巨匠ガンガー・デーヴィーは絵の各所に赤い線を効果的に利用しました。

 

 多色画

 多彩な色を使って描かれた絵画のことで、線描画に比べると闊達で動きのある絵になります。輪郭は線描画と同じく黒い線がひかれます。

 

 ハリジャン画

 ハリジャンによって描かれる絵画で、別名入れ墨画ともいいます。これは肌に彫り込んだデザインを紙に描きあげたもの。

 

 アリパン

  アリパンは幾何学模様で構成される吉祥絵であり、地面の浄化と美化のために描かれます。これはシャクティ(性の力)に基づくものでありタントラの宇宙観を表すものです。おめでたい儀礼の時には必ず描かれ、結髪、初潮、結婚、妊娠、出産など儀礼によって描かれるアリパンの内容はかわります。

 

   

                               

 

                                                                   

 

 

 

 

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